ジャイ! キールタン

今年のWSシリーズ最終回

1206ミラバイ二人

12/6、大阪でキールタンのワークショップ最終章がありました。このシリーズの最後に取り上げたのは、インドの中世において実在した偉大なるバクタ、ミーラーバーイーの生涯です。時にミーラーバーイーは白いサリーを着た姿で描かれていることがあるので、今回は私たちもいつものオレンジのサリーから白に変えてみました。
ミーラーバーイーは幼い頃から歌に長けていて、その生涯において神の栄光を讃えた歌を数多く残しました。インドではとても有名で、今でも人々から敬愛されているのですが、まだまだ日本では知られていません。

ミーラーバーイーはインド北西部、ラージャスターン地方にある、一国の王女として生まれました。彼女はほんの3歳!の時、一目でクリシュナの神像に心を奪われてしまい、そのクリシュナ神こそが自分のお婿さんであることをかたく信じたといいます。
しかし、ミーラーバーイーが成人した頃、彼女は隣の国の王子の元に嫁がなければならなくなりました。クリシュナとの結婚こそが真実であった彼女にとって、王族としての世俗的な結婚生活を送ることはできませんでした。美しい宝石や衣装などには全く興味を示さず、苦行的な生活を求め、クリシュナ神への礼拝に没頭したといいます。一般的な若い花嫁とは思えない行動に、新しい家族たちは失望し、やがてミーラーバーイーを迫害していくようになりました。
ミーラーバーイーが受けた苦難は、本当に想像を絶するようなものばかりです。毒入りの水を飲まされたり、針の筵の上に寝かされたり、毒蛇が送りつけられたり…。しかし、ミーラーバーイーが彼女の歌の中で歌っているように、「ミーラーの主はいかなる時も彼女を守り、障害を取り除く」、そしてミーラー自身もまた、「神の愛に酩酊しながら、神の栄光を歌い、生け贄として主ギリダラへ彼女自身を捧げる」のです…。
やがて彼女は王国を飛び出し、放浪生活を送るようになりますが、彼女の神との深い交わりから生まれる霊性の振動は、瞬く間に人々を引き寄せたといいます。

今回WSでミーラーバーイーの生涯を紹介する際に、彼女が残した歌も織り交ぜながら紹介していったのですが、その言葉から感じたのは、何にも穢されることのない、完全に純粋で、この上なく気高い愛の姿でした。主に自らを明け渡し、この命を彼のためにあきらめ、世間的な慎ましさも、家族のつながりもあきらめ、何ももたず、一切を放棄したミーラーバーイー。何度も何度も自らを差し出し、繰り返し繰り返し彼にひれ伏す。毎夜、眠ることすらできず、彼だけを求めて泣きに泣いた。こんなにも尊く、美しい愛の姿がこの世にあるなんて! 
ミーラーバーイーが残した歌はとても素朴なものも多いですが、時に象徴的な歌もあります。その真髄に迫っていくことは容易ではないかもしれませんが、でもきっと私たちはミーラーバーイーが残した歌を通じて、彼女が見ていたもの、感じていたものを辿っていくことが、そしてその魂に触れることができるはず!

1206全体1

来られた方からの感想を掲載します。

「ミーラーバーイーの親愛、ただ愛するその姿勢に感動しました。私もそんな愛に溶け込んで、いつもいつも浸っていたいなと、とても感じ入りました。今回は魂に響き、とてもとても感動しました」
「血が踊り、胸がばくばくする感覚がありました。瞑想の時の気が沈んでいくのとは違い、頭に血が逆上し、それに伴い集中感が高まることで、二人の気持ちに引きずりこまれました。方法論ではなく、神に帰依することにより、よけいなものを近寄らせないことなんだと実感しました」
「ミーラーバーイーの存在は知っていましたが、彼女の生涯や歌った歌を聞いたことがなかったので、とても勉強になりました。クリシュナしか見ずに生きたミーラーバーイーは、とても自由なように感じました。軽やかなイメージです。顔がとてもりんとしていて、意志が強そう」
「ミーラーバーイーがクリシュナを思う強烈さというものがまだよく実感としては分かりませんが、ミーラーバーイーの無恐怖というものには憧れをもちました」


このシリーズは今回が最後になります。あっという間の一年でした…が、京都、大阪ともに、今シリーズのおさらい会を12月と1月にそれぞれ行ないます。みなさまのお越しをお待ちしています〜。


今年のWSシリーズのおさらい会をします!

今年、シリーズで始めたキールタンワークショップも、いよいよ最終章を迎えました。今シリーズは間もなく終わりを迎えようとしているのですが、今年一年間せっかくみんなで一緒にいろいろと学んできたのに、このまま終わってしまうのはおしいっ! ……というわけで、今シリーズのおさらい会をすることにしました
通い続けてくださったあなたも、また、なかなか機会がなくて来れなかったあなたも、ぜひご参加ください! 京都と大阪で一度ずつ同じ内容のものを行ないます。


<京都>
日時:2013年12月15日(日) 14:00〜16:00
会場:ヤマモトビル2F 京都市左京区下鴨本町14 
★今回、会場が変わります! ご注意ください!
参加費:¥2,500

ヤマモトビル


<大阪>
日時:2014年1月17日(金) 19:00〜21:00
会場:プリヤメーラ
参加費¥2,500


皆さまのご参加をお待ちしております。
今年一年で、少しは神を愛する者たちの思いに近づけたかしら〜。さらにもっと近づけるかしら〜。


CD vol.3

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お待たせいたしました! CD vol.3 登場!
とってもクラシカルでカッコいい〜〜今シリーズ最後の、練習用のCDです。

曲は、
1 Cakara rakho ji
2 Hare krishna
3 Tvameva(マントラ)

一曲目は、ワークショップでの最終章のテーマにもなっているミーラー・バーイーの曲、二曲目と三曲目は、「歌いたい!」「覚えたい!」というご要望の多かったキールタンとマントラを入れました。
ご希望の方にはお分けしていますので、ご連絡くださいね。

ジャケット、まじで超ステキです!!

キールタンWS 最終章

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ここ数日、突然とても寒くなりましたね。10月も半ばを過ぎ、今年一年間、シリーズで行なってきたワークショップも、京都では今回で最後を迎えました。
今回ご紹介したのは、中世にインドに実在した聖者、ミーラー・バーイーの物語です。前回は、クリシュナ神とクリシュナ神を愛した女性、ラーダーとの愛の物語を取り上げましたが、今回のミーラー・バーイーは、まさにそのラーダーの境地を生きた女性でした。日本ではまだあまり知られていないかもしれませんが、ミーラー・バーイーは神への愛の歌をとてもたくさん残しています。インドには楽譜なんてなく、即興で音楽が作られることがとても多いのですが、ミーラー・バーイーも同じように、きっと内側から湧き起こる愛の衝動を歌にのせ、神前に捧げたのだろうと思います。
今回のワークショップの中では、いくつか彼女の曲を取り入れて紹介しました。特にメロディーに関してはどこまでオリジナルに近いのかは、今となっては分かりませんが、曲を通して感じたことは、彼女が完全に純真無垢なハートをもち続けたということと、あらゆる時も神しか見ていなかったということでした。
王女でありながらも迫害を受けたり、乞食の身となって灼熱の砂漠を放浪したりと、ミーラー・バーイーは想像を絶するような辛酸をなめることになります。しかし現状に屈服するどころか、ますます彼女の心はクリシュナ神一点に向けられるようになり、愛の高みに昇り詰めていきます。あぁ、私たちの心にもいつか、彼女のバクティのほんのひとかけらでも訪れますように!

いただいた感想をご紹介します。

「以前ミーラー・バーイーについて少しだけ読んだことがありましたが、物語や歌を聞くことで、ラージャスターンの砂漠やクリシュナの神像、ミーラー・バーイーの姿が頭に浮かんできました」
「感動しました。初めてキールタンに触れて、どういうものかなと最初は思って、でもだんだん引き込まれていきました。もっと知りたいと思いました。自分で歌いたいです」
「ミラバイさんのバクティはすごい!と思いました。神に対してこちらから一歩近づけば、神の方からも近づいてくれると習いましたが、ミラバイさんとギリダラ(クリシュナ)もそんな感じで最後は一つになれて『よかった!』と思いました。でも、少し切ないです・・・」
「キールタンますます好きになりました」

京都語り芝居『北極星になったドゥルヴァ』

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9/16(月)、京都にて語り芝居『北極星になったドゥルヴァ』を行ないました。この日は台風の影響で、前日からの強烈な雨と風のため、多くの交通機関がストップしました。京都市内はもちろん、県外からのアクセスが非常に困難で一時はどうなることかと思いましたが、そんな悪天候の中、みなさん本当に苦心しながらも来てくださり、またお昼からは晴れ間も見え、なんとか無事開演するができました。

このドゥルヴァの物語をさせてもらうのは松山に続いて二回目でした。同じ題材を扱っていても、行なう時や場所が変われば、私たち演じる側もまた少し印象が変わるような気がしました。お借りしたギャラリーju:彩さんは音の反響もよく、また天井も高くて、開放感がありました。

        *****

この物語は、ある王宮に生まれた一人の少年ドゥルヴァが、義理のお母さんに言われた言葉に傷つき、本当の幸せとは何なのか、神さまは本当にいるのかを探し、求めていく物語です。修行を重ね、その結果、本当に大好きな神さまを見ることができるのですが、なんとその神は一瞬にして消え去ってしまうのです。
その時ドゥルヴァはなぜ神が消えてしまったのかは分からず、深い悲しみに襲われるのですが、でも王宮に帰るしかすべがなく、戻ってまた元の暮らしを続けていきます。

やがてドゥルヴァは成長し、父親から王位を継いで、つつがなく暮らしていましたが、そんなある日、弟が突然、鬼神たちに殺されてしまうのです。烈火のごとく怒るドゥルヴァ。弟のかたきを討ちに飛び出し、戦闘が始まります。そんな中、再び神の声が聞こえてくるのです。
「今すぐ戦いをやめなさい。お前の弟は死んでいない。肉体には始まりと終わりがあるが、魂は永遠である!」
主の言葉を聞いて、ドゥルヴァはようやく我に返り、激しく後悔します。そして、自分の心の中に怒りの感情がずっとくすぶっていたこと、またそれがあったからこそ、あの時、神が自分の元から消えてしまったことに初めて気づきました。そして、今後は自分の心を真に修めていくことを誓い、そして最後に一つだけ神にお願いをします。それは、
「どうかいつも神を愛することができるように」
というお願いでした。

ドゥルヴァはその後、心に主を思いながら、人々のために働き続けました。誰からも賛辞を受けなくても、評価されなくても、ひたすら黙って行為し、神の道に沿って生きることを貫き通したのです。
長い長い年月の後、ドゥルヴァはようやく自分の心の中に、そしてすべての者の中に神が存在していることを見ました。

偉大なる働きを終えたドゥルヴァは、肉体を離れた後、愛おしい主、ヴァースデーヴァが住む永遠の世界、ヴァイクンタに到着します。そして、惑星がいつもそれを中心として回る、また人々には北の方角を教え、神に至る人生の生き方を示す目印として、天に輝く北極星となりました。

        *****


私自身、この物語を通して、幼いドゥルヴァがたった一人っきりで、神だけを求めた心境はどんなものだったのか、また、主が本当に目の前に現れてくださった時の感動はどれほどのものだったのか、できるだけ物語から感じ取りたいと思いました。このシーンだけは、どんなに演出や体裁を整えたとしても、自分の心境が伴わないと何も伝わらないし、嘘のものになるからです。そんな中で感じたことは、真の孤独が必要なんだということでした。
何も、誰も頼るべきものがなく、自分自身でさえもあてにならず、この果てしない大宇宙の中でたった一人であるという、恐怖心を伴うほどの強烈な孤独感です。神に頼りたい。でもその神もまだ見えない。この心の矛先はやがてたった一点だけに極まるようになりますが、その先にはもはや神という言葉すらもない状態なのかと思いました。

後半では、ドゥルヴァの固い決意と、神への深い愛が、黙々と働き続けた行為の中にありありと現れているようでした。大きな喜びに満ちるはずだった神との再会が、このような形での実現となったこと、ドゥルヴァはどれだけ後悔し、また感謝もし、複雑な心境となったことか。そして真に改心し、自らの喜びを一切求めず、神のヴィジョンも、愛されることも求めず、人々の幸せのために生涯を尽くしたのです。

考えてみると、聖者といわれる人たちは、このような生涯を辿った方も多くいらっしゃるのではないかと思いました。一旦神が消えてしまうことや怒りという感情のことは別としても、激しく神を求めて見神し、その後人々の中に神を見て行為をし続けたということです。
ドゥルヴァの物語は一つの神話かもしれません。でも私たちはこういったさまざまな神話や、神なる存在を通しながら、実際に具体的に神への思いを高めていくことができると思います。このドゥルヴァの物語は、私たちに本当に多くのことを教えてくれています。



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最後に、いただいた感想をご紹介します。

「とても美しいお芝居で感動しました」
「すっごく良かったです。ドゥルヴァの純粋な強い強い信仰にインスパイアされました。理想の神お一人をずっと思い、常に共にいることが、一人一人の中に神の顕れを見ていく鍵だと思いました。久しぶりにキールタンを歌って、みんなの存在がとても尊いものだと感じました。ありがとうございました」
「神を求める気持ちが迫力をもって伝わってきた。キールタンの声とバーンスリーの音色が澄み切ってきれいだった。ドゥルヴァが怒って戦いに出たシーンでは本当に怖かった。ドゥルヴァのようになれたら幸せだと思った」
「とてもいいお話でした。そして分かりやすかったです。印象的だったのは、ドゥルヴァがいつも神を愛することができるよう祈ったところです。究極の祈りだと思いました。そしてそのことはすべての人の中に神を見、愛するということなのですね。とても清々しい思いになりました」
「熱演と笛や楽器がぴったりと合っていて、一つの体が分かれて演じているように感じました。神を求めることの素晴らしさを感じました。途中ダンサーの二人が入ってきて、メリハリもあってよかったです! 第三弾に期待しています」

お越しくださった皆さま、そして快く、とても親切に会場をお貸しくださったオーナーさま、本当にありがとうございました。

晴れた日には時々夜空を見上げてみて、またこの物語を思い出してもらえたらうれしいです。

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シャクティのメンバーの一人。京都在住。
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